日本時間の7/18日朝、Facebook公式のシェアボタンが動作しなくなったという騒ぎがありました。仕事終わったら対処法まとめようかなぁと思っていたら他の人がやっていたので、ここではシェア / いいね! / 送信ボタンの成り立ちをまとめてみます。
シェアボタン廃止後も残されている公式な代替方法はShare linkの和訳をご覧ください。
シェア
Facebook内外のコンテンツをシェアする機能が公式に発表されたのは、つい最近結婚したクリス・ヒューによる2006年10月27日公式ブログ記事「Sharing is Daring」です。ここでは、「記事、画像、動画、その他なんでもあなたがクールだと思うもののURLをMy Sharesページ(http://www.facebook.com/shared.php)のフィールドに入力し、URLのプレビューを友だちに送ったり、自分のプロフィールに投稿できます。Facebook上のコンテンツに対しても同様で、コンテンツ横にあるShareをクリックすることで、友だちに送信したり自分のプロフィールに投稿できます。」と紹介されています。ここではブックマークレットも紹介されていて、これは今でも動作します。その直後(10月31日)の記事「Share Is Everywhere」では「Timeの記事ページからPhotobucketの動画ページまで、インターネット上のあちこちに置かれたシェア用のリンクを利用できます。」という具合に、外部サイトに設置するタイプのシェアリンクが初めて紹介されました。当時の見た目のキャプチャも紹介されています。この当時の動き自体はShare Linksで紹介されている方法と変わりません。
余談ですが、この記事の内容を信じるとすれば、「シェアプロジェクトのマネージャーであるクリスの生産性は、友だちのプロフィール上でシェアされる動画のせいで34.75%悪化した」んだそうです。共有こそがFacebook体験の要ですね。
肝心のシェアボタンの公開がいつだったのかハッキリとは分からなかったのですが、機能誕生からちょうど3年後、2009年10月27日「Keeping Count of Sharing Across the Web」では、いよいよ見覚えのあるシェアボタンが紹介されています。これ以前のシェアボタンではシェア数の表示はありませんでした。
いいね!ボタン
いいね!の誕生は「いいね!ボタンの歴史」で紹介した通りです(企画から実装、デザインの流れ、ローカライズの意識、どういう思想からいいね!に落ち着いたのかなど伝わってくるのでオススメです)。quoraでの回答が正しければ、企画は2007年から始まりつつも、シェアボタンと競合するという理由から2009年まで公開されることはありませんでした。公開後も、統合前のいいね!は今ほど強力ではなく、リンクがニュースフィードに流れただけです。シェアボタンと統合する方針は2010年5月22日に発表され、12月23日、不具合の為かシェアボタンが一時的に利用できなくなりましたが、結局その後2年は機能し続けます。
2011年2月には、いいね!ボタンでも見出しと宣伝文、サムネイル付きでニュースフィードに流れるようになり、共有時にコメントも入力できるなど、挙動がシェアボタンと似てきました。友だちが何を気に入るのかは皆興味があるという前提で、いいね!したものも大きくニュースフィードに流れるようになったんだと認識しています。個人的には、気に入った記事をいいね!しつつ、共有の為にシェアし直すという必要が減って楽になりました。
送信ボタン
2011年4月下旬、送信ボタンがローンチされました。この送信ボタンがシェアボタンの後継にあたると思っているので、このときの印象はOklahomerに投稿した通りです。『Aさんが対象に興味を持つから「Like/いいね!」を押す → Aさんの興味のある物として友達Bさんのニュースフィードに流れる → 結果として共有される』という流れだと思うので、共有目的で使うSendボタンとLikeボタンを比べるよりは、SendボタンとShareボタンと比べるのが正しい気がする。
Sendで誰かに勧めるからと言って、その人自身が興味を持っているとも限らない。なので、Likeして更新をフォローするのとも違ってくる。
LikeとShareを統合の流れにしたのも、Shareの本来あるべきだった状態をSendボタンが引き継ぐためだった的な感じなのかなぁとか。
使い分け
というわけで、使い方としては以下のような分け方だったと思います。- いいね!ボタン:個人的に興味のある対象に使う(興味がある対象なので、いいね!したあと変化があるとニュースフィードに流れてくる)。
- シェアボタン:気に入る / 入らないに関わらず、とにかく皆とシェアする
- 送信ボタン:気に入る / 入らないに関わらず、特定の相手とシェアする