いよいよ月間アクティブユーザ10億人突破ということで、Facebookのこれまでについて思っていることを書いてみます。相変わらずFacebookはリア充のものって言う人が多い中で、まぁ確かにそうなんだろうけど昔のFacebookなんて今の比じゃないよ?って思っていたこととか。ユーザとして使っていた立場から、それぞれの機能の当時の使われ方と、その変遷を紹介します。
まずは2005年当時から。



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2005年

まず、私がFacebookに登録したのは2005年の10月で、まだまだ限られた大学の学生しか登録できませんでした。この頃はFacebookの象徴と言えるいいね!ボタンも無ければシェア機能も無く、もっと言えばニュースフィードさえありませんでした。ユーザ登録するとプロフィールページが与えられる程度のシンプルなもので、大学で配布されるフェイスブックをオンライン化したようなものという点では、まさにFacebookという名にふさわしいものでした(thefacebookがFacebookに変わったのは2005年)。

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ネットワーク

今ではほとんど意味をなさなくなってしまったネットワークがこの頃は重要でした。たしか大学の地域を元にして割り振られるもので、自分が属するネットワークを越えてユーザ検索をすることができないなどの制限があったように覚えています。また、高校生が参加できるようになったは2005年秋で、当初は高校生は大学生のプロフィールを見れず、またその逆も同様という制約がありました。
地域や年齢層によって交流できる相手が制限されていて、自分が日常的に交流を持つ相手としか交流できない環境だったと言えます。だいぶ濃い空間です。

「求める出会い」設定

今のプロフィールと同様、恋愛対象を男女から選択したり交際相手の有無を設定できる他、どんな出会いを求めているかを設定できる欄もありました。選択肢には「no strings attached(割り切った関係)」かそれに近いものが用意されていて衝撃的でした。
何に使うのか定かではない機能の「poke(挨拶する)」という単語には、受け取り方によっては性的な意味も含まれることを考えると、近隣の大学に通う学生同士の出会い系としての側面も見えてきます。

コースマッチの名残

自分が履修しているクラスを登録できる機能で、たしか同じクラスで紐づくユーザを検索することができました。クラスメイトのジェシーのラストネームを知りたかったり、何に興味があるのかを調べるにはとても重要なポイントです。プロフィールを見れば特定の交際相手がいるのかも分かりますし、もしかしたら共通の友達が見つかって、さりげなく情報収集できるチャンスがあるかもしれません。私の大学が提供するUCONNECTというシステムにも同等の機能はありましたが、Facebookを使う頻度の方が高かった気がします。
2014-02-09 追記:この機能はCoursesと呼ばれるもので、2007年8月7日に機能停止が公式発表されました。

Poke(挨拶する)

ジェシーについて多少の下調べが済み、次回の授業で上手い具合に近くの席を陣取って話をすることができたら、今度は友達申請です。が、そんなに話したことも無いのにいきなり友達申請というのでは若干敷居が高い。同じクラスで断りづらいって思われるのも嫌だし、さすがのアメリカ人だってたまには空気を読む。というわけで、まずは軽くpokeしてみて、そして(幸運にも)poke返しが来たら、好意の証と受け取って友達申請するという使い方もあります。
もともと特定の使い道がない機能で、なんとでも受け取れるし何とでも言い訳できるので、こういう時に便利ですね。

ウォール

今では人のウォールへ書き込むというのは滅多に見なくなりましたが、このころは相手のプロフィールページへ行き、その人のウォールに書き込むというのが主流でした。アメリカの大学寮だとよく自室のドアにホワイトボードを置いて伝言板にするのですが、その延長として使われていたようです。
その名残として、今でも友達の誕生日には友達のウォールに書き込みますし、友達申請が許可されると、「フレンド申請が許可されました。山田さんのウォールに書き込みましょう。」などの文言が出ます。
ジェシーが友達になってくれたのなら、まずは「今日のテストやばかったよ。ジェシーはどうだった?」など書き込んで交流を図り、クラスの外でも親睦を深めることができます。
ちなみに私のウォールを遡ってみると、「今度の休暇は何してるの?」といった書き込みや、「次のテストっていつだっけ?」といった書き込みが出てきます。今のFacebookは会社の上司や親も見てますから、そんな気軽に書き込まれてはたまりませんね。そんなプライベートなことはFacebookチャットかメッセージで聞けよ!と怒られそうですが、これも大事な仲良しアピールです。学生にとってこれ以上に大事なことはありません。

写真

写っている人をタグ付けしてアップロードするという点では今と変わらないので、特に書くこともありません。が、無理矢理ジェシーに結びつけるとしたら、週末一緒に大学のスタジアムでフットボールの試合見てる写真をあげて仲良しアピールでしょうか。これは今でもよく見ますね。可愛い女の子と乾杯してる写真とか殺意が湧きます。
2005年10月の公開当初からタグ付けはよく使われたよ うです。最初に投稿された写真は猫だったものの、続々と女子学生同士の写真がアップされ、互いにタグ付けすることで友情を確かめ合っていたようだと「フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)」で紹介されています。このソーシャルな機能のおかげで、より高解像度でアップロードできる写真共有サイトよりも投稿枚数が多いというのは良く語られていますね。

グループ

今は旧グループのアーカイブ化など新グループへの移行が進んでいる最中ですが、この頃のグループ参加は今とは意味合いが違った気がします。今ではグループ内でイベントを立てることもできますが、この頃は交流目的よりもステータスとして参加するものが多かったです。
私がよく覚えているのは「このグループが10000人になったらアフリカへボランティアに行く」といった類の、pledge系とでも言えるようなグループでした。また、学生生活レベルでの過激な政治的グループも多く、「ジョシュアをプレジデント(生徒会長)に!」とか「週末も寮に掃除夫を来させろ」とかも見た覚えがあります。私自身、「UCO(私の大学)には立体駐車場が必要だ」というグループに属していましたが、いずれの場合も「グループへの参加=実名での署名」と言った意味合いが強く、それ以上に交流した覚えはありません。ときどき誰かが「この駐車場はマジで糞!」と書き込んでいた程度です。交流は関係ないのでジェシーは出てきません。

2005年まとめ

ここで紹介したような、友達同士の仲良しアピールや、学生同士のリアルな関係を深める用途という点では、今の学生の使い方とも近いのかもしれません。が、これはいいね!やシェアが実装される前の話です。今のように外部の情報が流れてくることも無く、診断アプリの結果画像が貼付けられることも無く、全ての投稿が友達同士の書き込みに終始していたと言っても過言ではないと思います。そうして見ると、この頃の方がだいぶ「Facebookはリア充のもの」感が強かった気がします。

ただし、ここで紹介したことは、記憶を頼りに私の周りでの使われ方を書いたものです。「そこ違うよ」という指摘や、「うちの大学ではこんな感じだったよ」などのコメントいただければ幸いです。次は2006年編。ミニフィード、ニュースフィード、シェアなど親しみのある機能が出てきます。